50MHz用デルタループアンテナ製作(エレメント・組立編)
バランの制作に続き、日本アマチュア無線機器工業会「移動運用アンテナ大研究」の資料(https://www.jaia.or.jp/shiryo/)を参考に制作を進めた。以前のアンテナCP-6を燃えないゴミで収集して頂くには長尺部をカットする必要があり、分別も兼ねラジアルの短縮コイル部を分解したらアルミパイプはエレメントに使えそうと思い保管していたので、それを使うことにした。
根本になるエレメントと取付部のアルミパイプの外径はφ20mm x t1.0なのでφ18mmのアルミパイプを差し込んでM4タッピング(下穴φ3mm)で連結し固定した。
基台の材質は合板で厚さが12mmを選択(手持ちであるものを利用しカット後に塗装を施す)
U字ボルト(エレメント固定用)やポールを固定するブラケット用のM6ボルト用にφ7mmの穴を設ける。又、バランを固定する形とした。
⚫︎基台組立
1.エレメント:U字ボルトとM6ナット・ワッシャで固定
2.ポール固定ブラケット・φ35固定パイプ:CP-6の部品を使いM6ボルトと
ナット・ワッシャで固定
3.バラン:上部はM4タッピング 下部はM3ネジとナット・ワッシャで固定
4.給電線:エレメント側にM8用、バラン側にM4用のラグ端子をハンダ付したものを
それぞれナットで固定
⚫︎エレメント組立
1.CP-6を利用したエレメント長では長さが不足したので先端に径が1サイズ大きいエレメントを
追加してタッピングで固定。上辺エレメントCの電線の固定部は、アルミパイプを潰し平面を
確保してM4ネジ用の穴を設けた。上辺のエレメントCは電線端部にラグ端子をハンダ付で
固定しM4ビスとナットで固定した。
2.エレメントA/Bの長さ調整はCP-6の部品を利用した(ネジを緩めれば長さ調整可)
⚫︎アンテナ調整
SWRは50.5MHzで最低値になる様に進め、上辺の電線エレメントは自重により垂れ下がるため
左右のアルミパイプ(エレメントA/B)の剛性を利用して電線にテンションを加える必要があり、
直角2等辺三角形の形にはならなかった。結果は50.44MHzでSWRが1.28の最低値となった。
周波数 | エレメント A/B(m) | エレメント C(m) | 全周(m) | SWR | 延長率(%) |
50.44MHz | 1.95 (1.879) | 2.515 (2.657) | 6.415 | 1.28 | 108 |
●50から54MHzまでのSWRの推移
・1.5以下は52.9MHz付近まで
・54MHzでも2.0以下におさまった
⚫︎気づいたところ
バランの丸座コネクターをケース取付はナットを締める時に工具が入るスペースが少なく
締め付けトルクが上がらなかった。実際、同軸ケーブルを丸座コネクターに付けると共回りして
いた。(今回はケースの蓋を外して締め直した。)移動運用のケースでは同軸ケーブル取付
の頻度が高いため、小ネジを使って固定するコネクターの方が良さそう。
今回制作したアンテナはバランのケースにテーピングで水の侵入防止を行い常時設置で
使う予定。(何年持つかなぁ)