気軽に使える50MHz用アンテナは?

IC-705へ直接取り付けて使えると思っていた50MHz 1/2λアンテナ HR50は、エレメント長が長いため、アンテナが傾くとアンテナの自重をIC-705本体で安定して支えられなかった。冷静に考えればわかると言われそうだが…。(ノンラジアルで1/2λは電波の飛びが良さそうと思い選んだ。しかし、モービル用のためしっかり作られていて重量が思った以上に影響した。)

そこで、ネットで検索してヒットしたのが「GAWANT(しながわアンテナ)もどき」で50MHz用を作られた方の情報を参考に、次回の移動運用までに完成させようと見よう見まねで間違いもあると思われるがこの時点は下記のようになった。アンテナの長さは120cm前後、重さは110gくらいで携帯性は抜群と思われ、あとは電波の飛びが気になる。

参考にしたページ(ありがとうございます。)
Imitation of GAWANT50A(50MHz用)
JA7MLC 電子工作ブログ:Gawant(品川アンテナ)もどき製作
Specs for T50-10 RF Toroids(計算サイト)
LC共振の周波数-高精度計算サイト

<製作>
回路図は上記Imitation of GAWANT50Aを参考に製作した。

コネクタ、ケース、ロッドアンテナ取り付け座までの高さは12cm

<共振周波数とSWRをNanoVNAで測定>
・ロッドアンテナは伸縮タイプなので1段毎に変える(59・72・85・98・112・125・138mm)
・ポリバリコンはダイヤルで 0(40pF)と180(≒0pF)の2点
・コア(T50-10)の2次側巻き数は10回、9回、8回、7回巻きの4種類(1次側は2回巻き)
・カウンターポイズなし

これはダイヤルの説明用(SWRの測定はNanoVNAで測定した。)

<測定結果>

インダクタンスの値は計算値(アースで1次、2次のコイルが繋がっているので合成インダクタンス?計算で算出)
ロッド長さが98cm以上でSWRは1.5以下を示したが、共振周波数は50MHzより低い値となった。
共振周波数を上げるためコアの巻数見直しでインダクタンスの値を小さくする事にした。
(2次側を9巻に変更したところ)全体的に共振周波数が上がり
ロッド長59cm / ダイヤル180で共振周波数が50.5MHz、SWRは少し高めの1.84となった。
(2次側を8巻に変更したところ)さらに全体的に共振周波数が上がり
ロッド長59cm / ダイヤル180で共振周波数が52.3MHz、SWRは少し高めの2.04となった。
ロッド長72cm / ダイヤル180で共振周波数が49.9MHz、SWRは1.56となった。
(2次側を7巻に変更したところ)さらに全体的に共振周波数が上がり
ロッド長72cm / ダイヤル180で共振周波数が53MHz、SWRは1.23となった。
ロッド長85cm / ダイヤル180で共振周波数が50.4MHz、SWRは1.13となった。
一通りの測定が終わり2次側7巻でSWRを下げる調整(ロッド長さとバリコンを微調整)を行なったところ、「アンテナの長さ85cm バリコンダイヤル130」でSWR 1.021@50.11MHz(最小値)、1.103@50.3MHz(FT8想定)となった。

<IC-705に装着、SWR測定>
IC-705のアンテナ端子へL型コネクターを付けてこのアンテナを装着した。上記の測定結果からSWRが下がる条件はある程度把握したと思い込んでいたがなんとSWRが高い。

共振周波数がずれた?下がる傾向もない。

試しにカウンターポイズを付けたらSWRはすんなり下がってしまった。う〜ん何かありそう。

カウンターポイズ(約1.2m)をつけて再測定したところSWRは1.5以下となった。
(SWRが下がった状態でカウンターポイズを外すとまたSWRは上がるので再現性はある。)

移動運用に使う仕様は2次側巻数7回を採用することにした。無線機に付けた状態でロッドの長さは103〜112cm(8段)、ポリバリコンのダイヤルは100前後となった。(カウンターポイズ付き)144/430MHzで使用しているRH770の長さ93cmを考慮すると扱いやすい長さと思う。SWRはNanoVNAで測定した値と無線機に付けた状態で何かが違うと思われるも見よう見まねで作っているので?のまま、SWRが下がったので良しとする。又、SWR測定過程で約30Kmぐらい離れた局と交信が成立した事から電波は出ているようだ。(試しの移動運用結果は追記する予定)