簡易型電界強度計の製作

50MHzダイポールアンテナを製作するきっかけとなった、2エレ HB9CVを持出し受信信号レベルを比較したら(メーター値)
・2エレ HB9CV:9
・8mワイヤーアンテナ(垂直偏波)とAH-705:1以下(了解度は5)

では、アンテナからどのくらい電波が出ているのか?も確認しようと、本棚を整理した時に見つけた昔の本「HAM Journal 新・手作りアンテナ入門」をパラパラめくったら、ビンゴ「簡易型電界強度計」の記事が掲載されていた。これを参考に見よう見まねの制作が始まった。

*印も参考にした記事に記されている。測定はテスターを使う

完成後に近所のグランドて電界強度の測定トライ(実施日:2023.8.30)

SWRはそれぞれ1.5以下に調整済み。(IC-705で確認)
8mワイヤーとDPは自作品。2エレHB9CVは以前購入したコメット製アンテナ
簡易型電界強度計のアンテナも50MHz帯用 対象アンテナと簡易型電界強度計の距離は約7mぐらい
テスターの電圧で測定した。2エレHB9CVを測定した時の値で1.961Vを表示している

測定結果
測定した電圧が高い方から 2エレHB9CV > DP >8mワイヤーアンテナの順となった
8mワイヤーアンテナの電圧は著しく低い。(カウンターボイスなし)

周波数:50.28MHz出力(W)
アンテナ0.512.55
2ele HB9CV0.5830.8631.3771.960
Dipole0.1580.2490.4230.629
8mWire + AH-7050.0040.0080.0170.030

測定結果からDPを基準にすると
8mワイヤーアンテナは、電圧が低く電波の飛びが悪い傾向が測定結果からも裏付けられた。SWRが1.5以下に調整できても電波が飛ばない事を体現できたことで、電波が飛ぶアンテナと飛ばないアンテナの意味が少しわかったような気がする。無線機から出力した高周波エネルギーはどこで消費されたのか?ワイヤーアンテナ運用は試行錯誤でもう少し良くなることに期待したい。
2エレHB9CVは、利得(6dBiぐらい)があるためDP比で約3倍の電圧となったと考えて良いのかな?

–ここから9月6日追記–
以前、学ぶ機会があったLTspiceで、上記回路図をシミュレーションを行うにあたり
まず、ダイオードの1SS16(推奨)は入手不可のため、代替品を決めるにあたり「月刊FBニュース」の「第6回 簡易電界強度計を作る 1」を参考にした。代替品の探し方として規格の「順方向電流」「順方向電圧降下」「端子間容量」を確認しながら探した旨が記されている。

順方向電流順方向電圧降下端子間容量備考
選定基準30mA以下0.4V以下数pF以下
1SS1630わからず0.9
1SS1064.50.41.5
1SS99300.230.9
RB751SM-4030(平均整流電流)0.372.0

以上から組立では1SS99を使用したが、LTspiceで部品を選定する時にライブラリーに登録が無いとシミュレーションの結果の信憑性が?となるため、ライブラリーに登録があったRB751SM-40でシミュレーションは行った。

入力V1:正弦波 0-2V 50MHz
出力(OUT)測定結果(感度調整用VRは1/2の値:5kΩ)
・RB751SM-40:0.75V
・1SS99   :0.64V(1SS99で指定すると登録された標準のダイオードで計算される)

RB751SM-40の結果 入力V1:緑色の正弦波 / OUT(出力)は赤色
抵抗R2に流れる電流:黄土色 / ダイオードとC1結線部の電圧:紫色
1SS99の結果 入力V1:緑色の正弦波 / OUT(出力)は赤色
抵抗R2に流れる電流:黄土色 / ダイオードとC1結線部の電圧:紫色

OUT及び、抵抗R2に流れる電流の立ち上りに違いが出た
–9月6日追記ここまで–